Business事業内容

Business : 01
不動産事業
新築分譲マンション
事業概要
新築分譲マンション事業は、当社グループの連結売上高の半数以上を占めるコア事業であり、用地取得から商品企画、販売までの一貫体制で全国展開しています。主に一次取得者をターゲットにした「LEBEN」ブランド、都市型コンパクトマンション「NEBEL」シリーズがあり、首都圏においてはファミリー・シングル・DINKS層を、地方中心市街地においてはアクティブシニア層をメインターゲットとしています。

2025年3月期の振り返り
新築分譲マンション事業は、2025年3月期の売上高106,582百万円(前期比14.0%増)、売上総利益23,082百万円(同9.9%増)と、増収増益となりました。粗利益率は21.7%(同0.8 ポイント減)と、期初計画を0.9 ポイント上回りました。
連結売上高構成比で54.2%、売上総利益構成比で54.6%を占めており、引き続き当社グループの主力事業としての役割を担っています。
新築分譲マンションの販売戸数は2,339戸と前期比125戸増加し、好調に推移しました。地方におけるブランド力強化も順調に進展し、利益率は高い水準を維持することができました。
供給エリアは北海道から九州まで全国にわたり、地域別の供給比率は首都圏が27%、中部圏が5%、近畿圏が12%でした。それらを合わせた大都市圏での供給比率は44.1%(前期比9.9 ポイント増)となり、当期は特に近畿圏の伸びが顕著な結果となりました。
今後の取り組み
新築分譲マンション市場においては、原材料の高騰や深刻な人手不足による建築コストの高騰といった調達環境を背景に販売価格は上昇傾向にあります。一方で、住宅を求める実需層の購買意欲は依然として高く、堅調な需要が続いています。2026年3月期の期首時点において、通期の引渡予定戸数2,820戸に対し、47.8%の1,349戸が契約済みとなっており、売上高110,900百万円、売上総利益23,210百万円の増収増益の予想です。
首都圏への人口集中と地方都市の過疎化といった国内マーケットの中、2026年3月期の大都市圏比率は44.5%(0.4 ポイント増)を予想しています。工期の長期化や建築費の高騰などに対しては、コストコントロールやタイムコントロール、高規格商品で対応してまいります。同時に、初めて家を購入される一次取得者の味方として、お求めやすい価格帯の維持にも努めていく方針です。
今後は国内の世帯数減少に伴い、マンションの供給戸数も減少していくと予測されます。このような環境下で持続的な成長を遂げるため、用地取得をより厳選するとともに、ターゲットとする顧客層へ、より丁寧かつ魅力的なマンションを全国に供給してまいります。

流動化
事業概要
不動産事業の第二の柱である流動化事業は、新築分譲マンション事業で培ったノウハウを生かし、多様な不動産アセットの開発を手掛けています。具体的には、ハイグレード賃貸マンション「LUXENA」シリーズをはじめとするレジデンス、オフィスビル、ホテルなどが挙げられます。またこれまで開発した物件のうち6~7割をタカラレーベン不動産投資法人へ売却しており、同法人の外部成長をサポートする役割も有しています。

2025年3月期の振り返り
好調な市場環境が継続するなか、新規開発したレジデンスの利益貢献により、売上総利益は期初計画比19.0%増の7,375百万円となりました。
「LUXENA」シリーズを中心に、防音ニーズに対応した「LUXENA+ OTO 南千住」などの新たな商品展開を推進するとともに、保有不動産のバリューアップ、リーシング(賃貸付け)も順調に進捗しました。
投資実績は、全国から投資基準に適した優良なアセットを積極的に取得した結果、前期比約2倍の49,270百万円となりました。
また、好調な不動産市況を機会として販売を戦略的に進め、30,898百万円の売却実績を計上しました。粗利益率は期初計画の17.2%から23.9%へと大幅に改善し、グループ全体の安定収益に貢献しました。

今後の取り組み
今後も全国を対象として積極的なアセットの取得・開発を継続します。タカラレーベン不動産投資法人の資産規模を、現在の1,732億円から2031年3月末には3,200億円へ拡大させる目標の達成に向け、各エリアの需要を的確に捉え、厳選した投資機会を安定的に確保してまいります。
マーケット動向を注視しつつ、新たなコンセプトの商品展開にも挑戦していきます。
資産規模については、2025年3月末で、45,109百万円(※販売用不動産に計上されている流動化資産を含む)保有しており、これに加え、開発中の資産として17,704百万円保有しています。この開発中資産は、完成後33,333百万円の資産となる見込みです。結果として、既存の資産と合わせて78,442百万円の資産となる予定です。

新築戸建分譲
事業概要
新築戸建分譲事業は、レーベンホームビルドによる開発から施工、販売までの一貫体制を構築しています。生活利便性、教育環境、自然環境、アクセス性など、独自の基準で厳選した用地に、主に4LDKのミドル価格帯の住宅を提供しております。さらに、当社グループならではの充実したアフターサービスや長期保証を通じて、「誰もが無理なく安心して購入できる理想の住まい」と「高品質で購入しやすい価格」の両立を実現しています。

2025年3月期の振り返り
売上戸数217戸と、期初計画である230戸は達成できませんでしたが、概ね計画通りの進捗となりました。売上総利益は1,501百万円、粗利益率は11.6%で、どちらも期初計画を下回る結果でした。
当期は、当社グループが分譲マンションを供給しているエリアおよびその周辺での事業展開により、ブランドの相乗効果や域内での連携を深める戦略を推進しました。
今後の取り組み
新築戸建分譲事業においては、「LEBEN PLATZ」シリーズを中心に、エリアを一層絞り込んだ地域密着型の開発を進めることで、他社との差別化を図っていきます。
エリア別マーケット分析や、規模に応じたハイブリッド型の投資戦略、ならびに戦略実行を担うチーム体制においては、改善の余地があると認識しており、今後は地域特性を踏まえた事業展開を強化することで、安定的かつ継続的な戸建供給体制の構築を目指していきます。
リニューアル再販
事業概要
リニューアル再販事業では1都3県を中心に、利便性や立地価値の高いエリアにおける中古マンションニーズに応えるため、1戸当たり平均 60m2台、平均築年数30年程度の物件を仕入れ、入居者の退去後にリノベーションを施した上で再販しています。また、1棟単位で中古マンションを取得し、デザイン性やプラン提案力を生かしてリニューアルした「LéArt(ル・アール)」ブランドも展開しています。

2025年3月期の振り返り
利益率の改善により、期初計画を上回る1,568百万円の売上総利益を計上しました。すべてのエリアで中間価格帯を設定し、物件の「ニアリー新築」水準までのバリューアップを図ったことが、業績に寄与しました。粗利益率は期初計画を2.5ポイント上回る14.9%となりました。
今後の取り組み
2026年3月期は、前期のような複数物件のバルク売却(一括売却)を現時点で見込んでいないため、売上高は減少する計画です。中古マンション市場では仕入れ価格の上昇が続いていることから、採算性を十分に見極めた上で、慎重に物件取得を進めていきます。
不動産賃貸
事業概要
不動産賃貸事業では、当社グループが保有する賃貸用不動産から生じる賃料が主な収益となっており、そのうち約9割が流動化事業またはリニューアル再販事業の将来的なラインアップとして取得した物件で構成されています。高い入居率・入室率を維持しながら日本全国で積極的に賃貸物件の取得を進めています。また、賃貸用不動産のテナント獲得業務等については、レーベントラストを中心に行っています。
2025年3月期の振り返り
賃貸マンション、オフィス共に堅調で、売上高は6,229百万円、粗利益率は27.1%と期初計画を上回り進捗しました。
賃料のインフレ基調と長期保有物件の稼働率向上が相まって、内部成長を着実に推進することができました。
今後の取り組み
今後も引き続き、得意とする50坪から100坪ほどのフロアプレートを軸に、立地の優れた商品を継続的に供給していきます。加えて、既存保有物件の価値向上による収益力強化(内部成長の促進)や、市場環境に応じた戦略的な資産の入れ替えを適宜実施することで、さらなる収益規模の拡大を目指します。
不動産管理
事業概要
レーベンコミュニティを中心として、分譲マンションや賃貸レジデンス、オフィスなど幅広い不動産アセットの管理を行っています。日常の保守・維持管理業務をはじめ、長期修繕計画や建物点検、大規模修繕の提案など、管理組合の皆さまと対話を重ねながら、最適な管理サービスを提供しています。
2025年3月期の振り返り
人件費の上昇が影響し粗利益率が低下傾向となりました。管理戸数79,624戸、売上高9,623百万円、粗利益率は16.3%となり、いずれも期初計画を下回りました。
利益面ではコスト上昇が影響しましたが、管理戸数については前期比2,963戸の増加となり、事業基盤は着実に拡大しています。コスト削減および管理費の適正化に向けた施策の効果は、2026年3月期以降に表れると見込んでいます。
今後の取り組み
今後も人件費の上昇が継続すると見込まれ、適切な利益率の確保に向けて、管理サービスの向上とコスト削減の両立が重要な経営課題であると認識しています。
研修・資格制度活用による高いサービス品質力を強みとし、マンション管理員への定期的な研修、研修内容の理解度テストなどを通じて、これまでも業務スキルと顧客対応力の強化を図ってまいりました。今後もこれらの人材育成への取り組みを一層強化し、顧客満足度と収益面の両面での向上を目指します。
不動産その他
事業概要
不動産その他事業では、主に不動産の売買仲介や販売代理といった不動産流通サービスを提供しています。お客さまの多様なニーズに対し、契約条件の調整から物件のお引渡しまで、専門的なノウハウと情報力を生かして最適なご提案を行います。特に、当社グループが展開する分譲物件、管理物件、賃貸物件といった各事業で得られる豊富な物件情報や顧客基盤を活用できる点が、事業の大きな強みです。
2025年3月期の振り返り
売上高1,674百万円で期初計画比23.1%増、粗利益率99.7%で期初計画比0.3%減となりました。前期比では減収減益となったものの、期初計画に対しては好調に進捗しました。
今後の取り組み
今後もグループ資源を最大限に活用し、フィービジネスとしての安定成長を目指します。2026年3月期は、新築分譲マンション事業において、ジョイントベンチャー(JV)案件の増加により販売代理手数料収入が増加する見通しで、売上高は前期比で約2.3倍に拡大することを見込んでいます。

Business : 02
エネルギー事業
事業概要
MIRARTHエナジーソリューションズを中心として、太陽光をはじめ風力などの再生可能エネルギーを発電源とする発電所の開発・売電ならびにO&M 事業、カシューナッツ殻を活用したバイオマス燃料化事業等を推進しています。これらの再生可能エネルギー事業拡大に向け、FIT(固定価格買取制度)による安定収益の確保だけでなく、PPA(企業や自治体等との直接的な電力購入契約)の推進にも積極的に取り組んでおり、不動産事業に次ぐ第二の柱としてさらなる成長を目指しています。

2025年3月期の振り返り
2025年3月期は、発電所の施設売却を取り止めたことが大きく影響し、売上高9,921百万円で期初計画比 21.9%減、売上総利益2,551百万円で期初計画比42.4%減となりました。売電収入において計画比未達となった要因として、ケーブル盗難対策や修繕などの費用が発生したことがありますが、これは一時的なコストであるため、2026年3月期では利益率改善を見込みます。
一方で累計発電規模は2025年3月末で385MWに到達し、着実に進捗しています。安定電源の確保を目指したポートフォリオ拡大も進行中で、2024年12月には北海道乙部発電所(風力発電)を取得し、太陽光の発電効率が下がる冬季に強みを持つ新たな発電源を確保しました。また、MIRARTHエナジーソリューションズはオンサイトPPA(※需要地の敷地内にて発電された再エネ電力を供給する契約方式。)に向けた電力供給契約を2025年1月に山梨県、2月に札幌市と締結しています。このような取り組みにより、脱FITを見据えたビジネスモデルの構築が進んでいます。
今後の取り組み
2026年3月期は施設売却は見込まず、発電規模の拡大に注力します。稼働済発電規模においては2025年3月期比25MW増の410MWを予想しており、売上高は11,670百万円、売上総利益は2,950百万円を見込んでいます。
MIRARTH エナジーソリューションズでは中長期的な事業計画を作成しており、事業収益力強化に取り組んでいます。今後蓄電所への積極的な投資、太陽光発電所を中心とした発電施設の開発スピードを加速していくとともに、カシュー事業、燃料事業といった新領域の成長を目指します。蓄電所は、比較的狭い土地でも高い収益性を確保できることから、不動産事業で培ったネットワークを生かし、土地の取得と立地の分散を図っていきます。
また、エネルギー電源の多様化に向けた取り組みとして、木材チップを燃料としたバイオマス発電所を予定しています。バイオマス発電は太陽光に比べてオペレーションやメンテナンス面において難易度が高いため、安定運用に向けた体制強化にも取り組んでいきます。
カシュー事業・燃料事業においては、2024年6月にカンボジアで竣工したカシューナッツ加工工場にて製造された商品が高く評価されており、今後も加工量の拡大や技術ノウハウの蓄積などを進めていきます。
資源エネルギー庁が公表している第6次エネルギー基本計画では、2030年の電源構成のうち36~38%を再生可能エネルギーとする方針が掲げられており、当社グループにとって成長機会であると認識しています。こうした中、エネルギー事業を不動産事業に次ぐ第二の柱と位置づけ、今後も事業領域の拡大と収益力の強化に努めてまいります。


Business : 03
アセットマネジメント事業
事業概要
MIRARTH ホールディングスグループが有する、不動産と再生可能エネルギーに関する豊富な専門知識、ノウハウ、ネットワークを活用し、J-REIT および私募ファンドの運用受託を積極的に展開しています。これらの事業は、MIRARTH アセットマネジメントとMIRARTH 不動産投資顧問が行っています。投資家の皆さまの多様なニーズに応じて、資産の特性に応じた最適な運用を行うとともに、優良な投資機会の創出にも取り組んでいます。

2025年3月期の振り返り
2025年3月期においては、私募ファンドの組成が業績を大きく押し上げ、売上高1,162百万円で期初計画比29.2%増、売上総利益934百万円で期初計画比33.5%増と、いずれも大幅に計画を上回る結果となりました。
取得物件の拡充を図るとともに、適切なタイミングで運用物件を売却するという資産の入れ替え戦略により、着実に成長を遂げてきました。
日本の不動産に対する国内外投資家の投資意欲の強さに加え、当社グループの企画開発力を生かしたスポンサー体制、堅実な物件調達力を背景に、業績は好調に推移しています。テナントの汎用性の高さ、物件自体の資産価値の高さを重視した厳選投資により、新たな物件の取得を推進しています。
資産運用規模(取得価格ベース)では合計3,113億円となり、前中期経営計画における目標3,000億円の資産運用を達成しました。その内訳として再エネが779億円、REITが1 ,732億円、私募ファンドが602億円となっています。

今後の取り組み
今後は、引き続き運用資産規模の拡大と着実な内部成長を目指し、運用体制の強化に取り組んでいきます。資産規模を拡大するには強固な組織基盤が不可欠であり、優秀な人材の確保や定着のために重要な「良いオフィスづくり」というのも課題です。人材確保を物件取得と同等の重要事項だと考えており、注力していきます。
また、増資に関しては、NAV(ネット・アセット・バリュー)への影響が意識されますが、NAVの水準のみに捉われず、少なくとも配当水準を維持することを前提とし対応を行う方針です。
投資判断においては、「善良な管理者の注意義務」に忠実に、収益性と資産価値の両面から精査を行い、高い内部成長が見込める物件への投資を徹底していきます。賃料の増額や物件価値の向上を通じて資産価値を高めるということが当事業の責務であり、今後も当社グループのストック・フィー事業の成長に貢献します。

Business : 04
その他事業
事業概要
ホテル運営事業、建設事業、介護事業など、幅広い事業をグループ各社で手掛けています。建設事業では施工時の各工程における幾重もの社内検査など、厳重な品質管理体制を構築し、共同住宅、福祉施設、店舗などさまざまな用途の建物を提供しています。
ホテル運営事業では、当社グループの住まいづくりの中で培われた「人が快適に過ごす空間をつくる」ノウハウを生かしたオリジナルブランド「 HOTEL THE LEBEN 」の展開もしており、新領域への挑戦を通じて、新たな価値の創造を目指しています。

2025年3月期の振り返りと今後の取り組み
その他事業の収益においては、建設工事請負、ホテル運営やリハビリデイサービスなどが含まれており、売上高6,927百万円で期初計画比4.3%減、売上総利益373百万円で期初計画比58.9%減となりました。建設および介護事業におけるコスト上昇が利益率に影響を与えましたが、運営中ホテルの好調な稼働により、前期比では売上総利益が348百万円増加しています。2024年7月には「那須 無垢の音」がミシュランキーを取得するなど、高い評価を獲得しています。
今後もホテル運営では、高い稼働率と客室単価が継続するものと見ており、利益率のさらなる向上を図っていきます。戦略としては、宿泊特化型ホテル開発を加速するとともに、既存ホテルのオペレーション強化や収益力の改善に取り組みます。また、他社ホテルの運営受託の推進やM&Aも活用しながら運営規模の拡大を進め、2031年3月期には営業利益1,000百万円の達成を目指します。
