当社グループとして2件目となる風力発電所です。北海道の函館市から西北約70kmの海沿いに位置する乙部町で、日本風力開発株式会社様と共同で開発を進め、2023年10月に運転を開始しました。設備としては、2.3MWの風車が2基。風車の全長は約120m、タワーの高さは約78m、ブレードの長さは約41mという設計で、発電効率と安定性を両立させています。年間発電量は約1,005万kWhを想定しており、これは一般家庭約3,000世帯分の年間使用電力量に相当します。

当時のMIRARTHアセットマネジメント（以下「MAM」）の代表が、日本風力開発株式会社様からこの案件をご紹介いただいたことがきっかけです。その後、社内で収益性を詳細に検討した結果、取得に向けて動き出すことになりました。グループとしては初めて、開発段階から携わった風力発電プロジェクトとなります。

開発にあたっては、地域の方々のご理解を得ることを第一に考えました。日本風力開発様が中心となり、地権者の方々への丁寧な説明を重ねたほか、市役所との協議も密に行い、事業計画についてご理解いただけるよう努めました。通常、風車はより強い風が期待できる海寄りに設置されることが多いのですが、住民の方々からの景観や騒音に関するご意見を踏まえ、風況調査の結果に問題がない範囲で山寄りに変更し、地域の皆さまとの調和も大切に進めました。

風力発電所の建設にあたり、地域の皆さまからはご理解をいただけたものの、やはり風車が目立つことによる景観への影響や、運転音に対する懸念の声もありました。音については、過去のデータに基づき、どの程度の音がどの距離まで届くのかを具体的にご説明ができます。しかし、景観については、風車の高さなどの情報はお伝えできますが、最終的には個人の感じ方に左右される部分が大きくなります。それでも、丁寧に説明を重ねることで、皆さまにご理解いただいたうえで、プロジェクトを進めることができました。地域住民の方々のご理解とご協力には大変感謝しております。