Business事業内容
Business : 01
不動産事業
新築分譲マンション
事業概要
新築分譲マンションは、全社売上高のうち約5割を占めるコア事業です。自社マンションブランド「レーベン」「ザ・レーベン」ならびに都市型コンパクトマンション「ネベル」の企画・開発・販売を全国で行っています。MIRARTHホールディングスグループは「誰もが無理なく安心して購入できる理想の住まい」のコンセプトのもと、一次取得者層を中心に幅広い世代に向けてマンションを提供しています。
2023年3月期の振り返りと中期経営計画の進捗
当事業は不動産事業の中の主力事業であり、2023年3月期は全社売上高の49.6%、同売上総利益の52.7%を占め、前期比で増収増益を達成しました。
中期経営計画では、重要戦略の「7本の柱」の中で「コア事業のさらなる拡大」を掲げ、不動産事業の持続的な成長に向けて事業を展開しています。当事業は、不動産事業の中で主に次の3つの目標に基づき事業活動を行っており、2023年3月期はそれぞれ一定の成果を収めています。
1つ目の目標は「全国安定供給体制の再構築」であり、2025年3月期に2,200戸の売上計上を目指しています。2023年3月期は、売上戸数が1,861戸と前期比31戸増加しました。好調な契約進捗により値引き額を抑えることができたため、売上総利益率では22.0%と高い利益率となっています。
2つ目の目標、「2025年3月期に大都市圏比率50%を達成」については、大都市圏の比率は48.8%と、概ね当社の指標とする50%となっています。
3つ目の「駅前再開発ならびに老朽化マンション再生プロジェクト等、再開発事業への積極参入を推進」については、中心市街地活性化基本計画の第1号認定を受けた富山市の再開発事業を皮切りに、全国で市街地再開発事業・優良建築物等整備事業の拡大を図っています。
今後の取り組み
2024年3月期の業績予想は、引渡戸数を2,200戸と計画しており、増収増益を予定しています。大都市圏比率は大都市圏と地方都市で5:5を理想としていますが、ラインアップの影響もあり、地方都市比率が約65%と上昇する予定です。
新築分譲マンションの契約進捗については、引渡予定戸数2,200戸に対して、期首時点で1,423戸、約65%がすでに契約済みとなっています。販売が好調に推移しており、2025年3月期の引渡分についても、期首時点で277戸の契約が進んでいます。販売価格に対する建設コスト上昇の影響は避けられませんが、建設コストのコントロールと、コスト上昇分と販売価格のバランスをどのようにとっていくかが課題となっていくと考えます。
今後は、コア事業のさらなる拡大に向けて、従来の新築分譲マンション事業に加え、地域の活性化に向けた再開発事業や建替事業など、地方都市・地域のサステナブルな環境のデザインに向けて取り組みを進めていきます。この取り組みについては、各方面で実績を上げつつあり、自治体からの相談も増加しています。活躍できるフィールドや事業を限定することなく、お客さまやパートナーとの新しい価値の創造に向けて取り組んでいきます。
流動化
事業概要
賃貸用の住宅やオフィスなどを開発し、1棟単位で不動産ファンドなどへ売却しています。不動産事業の中で新築分譲マンション事業に次ぐ第2の柱となっており、当事業で開発した物件のうち7~8割をタカラレーベン不動産投資法人に売却するスキームを通じて、同投資法人の成長をサポートする役割も担っています。
2023年3月期の振り返り
投資額については、24,464百万円と前期比で19.0%減少し、目標の300億円を下回りました。これは、他社との仕入れ競争激化の影響もあり仕入れを厳選したことや、既存不動産よりも新規開発の割合が増加していることが背景にあります。新規開発案件は、既存物件の売買と比べて付加価値が大きいため、収益目標に対して利益率向上に貢献しています。
一方で、売上高・売上総利益はいずれも増加しており、売上総利益率は前期、目標ともに上回りました。好調なマーケットが継続していることに加え、新規開発レジデンスなどが利益率に大きく貢献しています。
今後の取り組み
2023年3月末で、完成済みの資産を38,868百万円保有しており、開発中資産の簿価18,855百万円分は将来完成すると40,792百万円となり、合わせると2026年3月末以降で79,660百万円の保有資産となる予定です。なお、ポートフォリオの70%以上をレジデンス・オフィスで構成しており、理想とするポートフォリオ構成になっています。
2024年3月期は、売上高を前年度からほぼ横這いとし、売上総利益率は18.0%を見込んでいます。今後も投資の厳選を行いながら、強みとしている新築レジデンスの開発を加速させていき、タカラレーベン不動産投資法人等へ売却する方針を継続していきます。このようにグループシナジーを生かした開発および売却スキームを展開することで、アセットマネジメント事業との相互成長を図っていきます。
新築戸建分譲
事業概要
一戸建分譲住宅の開発・企画・販売を行っており、「LEBEN PLATZ 」(レーベンプラッツ)というブランド名で展開しています。これまで積み上げてきたマンションの企画・開発力を生かして、同じ住居系不動産の領域である建売住宅の分譲事業を行うことで、事業シナジーを図っていきます。
当事業はグループ会社であるレーベンホームビルドが主体となって展開しており、自社施工ならではの特長として「光・水・空気」にこだわった高品質かつ快適な空間づくりを追求しています。
2023年3月期の振り返り
根強い戸建ニーズにより、販売が順調に進捗した結果、2023年3月期には189戸を売り上げ(前期比9戸増)、前期比で売上高・売上総利益はいずれも増加しましたが、前期は利益率の高い大規模プロジェクトがあった反動で、売上総利益率は13.2%(前期比1.5ポイント減)と低下しました。売上戸数についても、当初計画対比では、220戸に対して30戸程の未達となっており、今後は営業人員の強化を図っていくことが課題となっています。
今後の取り組み
売上戸数目標は240戸と、2023年3月期から51戸増加予定としています。売上高、売上総利益とも増加を見込んでいますが、仕入れに伴うコスト増などの影響により、2024年3月期の売上総利益率は10.3%と、2023年3月期から2.9ポイント低下する計画です。構造的に利益率が低い傾向にあるので、販管費を含めたコスト削減を行い、利益率向上を目指します。今後は、短期回収事業として新築分譲マンション事業の補完的役割を果たすことを基本方針として、エリアマーケティングの強化により、仕入・供給体制を再構築し、短期間での回収サイクル構築の徹底を行っていきます。
リニューアル再販
事業概要
グループ会社のレーベンゼストックが主体となり、主に賃貸中の中古マンションの買取・再販事業を行っています。近年急増している、立地価値の高いエリアにある中古マンションニーズを取り込むため、当社グループ内の不動産ネットワークを最大限に活用しながら、賃貸中の中古マンションを積極的に購入し、退去後にリニューアルを実施し再販を行います。
2023年3月期の振り返り
2023年3月期は179戸を売り上げ(前期比8戸増)、仕入も274戸となり(前期比25戸増)、ともに順調に進捗しました。新築分譲マンションと同様に、中古マーケットも活況の傾向にあり、それに伴い利益率は計画を上回りました。
今後の取り組み
ストック保有戸数が順調に増加しており、売上戸数も増加傾向にあります。安定的なリニューアルビジネスサイクルの確立を目指して、グループネットワークを活用しながら適正在庫の確保を進めていきます。
Business : 02
エネルギー事業
事業概要
新築分譲マンションは、全社売上高のうち約5割を占めるコア事業です。自社マンションブランド「レーベン」「ザ・レーベン」ならびに都市型コンパクトマンション「ネベル」の企画・開発・販売を全国で行っています。MIRARTHホールディングスグループは「誰もが無理なく安心して購入できる理想の住まい」のコンセプトのもと、一次取得者層を中心に幅広い世代に向けてマンションを提供しています。
エネルギー事業における当社グループの強みとビジネスモデル戦略
これまでの当事業のビジネスモデルは、発電施設をタカラレーベン・インフラ投資法人に売却するフロー収益がメインでした。一方で2022年11月に同投資法人を公開買い付けにより連結子会社化して以降、基本的に発電施設の売却は行わず、売電収入と施設の運営に注力し、フロー収益からストック収益主体へと収益構造を転換しています。
当事業の強みの一つはその発電規模にあります。太陽光発電の設備の規模は、システム容量によって「低圧」「高圧」「特別高圧」の3つに分かれています。低圧は住宅の太陽光パネルなど小規模発電、特別高圧は2,000kW 以上のいわゆる「メガソーラー」にあたり、高圧はその中間の規模です。低圧は設備投資のハードルが低く、特別高圧はスケールメリットでコストを抑えられるためそれぞれ競合の多い分野ですが、高圧は用地取得と設備投資の手間が掛かる割にスケールメリットを得にくいため、参入障壁が高くプレイヤーも限られていました。当社グループが2021年に中小型太陽光発電所に強みを持つLCE を子会社化したことで、今後注力するPPA に適した発電規模である高圧に強みを持つこととなりました。コストに関しても、当社グループが培ってきた不動産事業における用地取得・仕入のネットワークやノウハウを生かしてスピーディーな開発を実現し、なおかつ同時に複数の案件を手掛けることで、調達コストなどを大幅に下げることが可能となります。さらに売電ビジネスにおいても、電力需要家やオフテイカーとなるパートナー企業との提携により収益を確保しています。
多くの企業や自治体等が脱・低炭素化への取り組みを強化する流れがある中、当事業は主力の不動産事業を支える有力な柱になり得ると考えています。今後はFIT 制度に依存しないビジネスモデルを構築して安定収益による持続的な成長を果たし、2030年3月期にはEBITDA で不動産事業とエネルギー事業が1:1となる水準まで成長させることを目指します。
2023年3月期の振り返りと中期経営計画の進捗
2023年3月期は、タカラレーベン・インフラ投資法人に対してTOBを実施し、連結子会社化した影響により、当初予定していた発電施設の売却を取りやめたため、施設売却の売上がゼロとなりました。また、TOB 実施に伴う初期コストの計上などもあり、956百万円の営業損失となりました。一方で売電収入については、売上高が90億円と過去最高となり、売上総利益も、前期比で37.7%増加となりました。また、富士山朝霧バイオマス発電所が発電開始するなど、太陽光発電以外の再生可能エネルギー事業についても成果が出始めています。
中期経営計画では、目標累計発電規模360MWをすでに前倒しで達成していますが、2027年3月期にエネルギー事業の営業利益構成比を25%、2030年3月期には30%へと拡大する目標を掲げています。今期はその目標を達成するための大きな転換期です。今後はFIT制度に依存しないビジネスモデルの構築を図るとともに、電力供給の安定化を通じて広く地域活性化および社会貢献を実現するべく、太陽光発電以外の再生可能エネルギー施設の開発やPPAモデルの拡大に向けてさらに取り組みを進めていきます。
Business : 03
アセットマネジメント事業
事業概要
2023年3月期の事業セグメントの変更により、「その他事業」のうち運用報酬部分が単独の事業セグメントとして独立し、「アセットマネジメント事業」となりました。アセットマネジメント事業では、MIRARTHホールディングスグループに蓄積された不動産、再生可能エネルギーに関する豊富な専門知識・ノウハウ・ネットワークを活用し、当社グループの資産運用会社を通じてJ-REITや私募ファンドなどの運用を行っています。
2023年3月期の振り返りと中期経営計画の進捗
アセットマネジメント事業は、タカラレーベン ・インフラ投資法人へのTOBの影響で予定していた取得報酬がなくなったため、売上高・営業利益ともに減少し、売上高1,096百万円(前期比16.6% 減)、営業利益322百万円(同45.7%減)となり、2023年3月期の当事業の営業利益構成比は、4.6%となりました。
中期経営計画では、アセットマネジメント事業の営業利益構成比を2027年3月期に9%、2030年3月期には15%へ拡大する目標を掲げています。当事業の収益構造は、MIRARTHホールディングスグループ内で運用する各種ファンドの運用資産残高の増加に伴い伸長していく形です。資産規模については、2025年3月末までに各種ファンド合計で3,000億円を目指しており、順調な積み上げの結果、2023年3月末時点には、取得価格ベースで約2,500億円となっています。
今後の戦略
2024年3月期は、合同会社グリーンエネルギーの連結子会社化により、運用報酬の連結相殺を予定しており、売上高820百万円(前期比25.2%減)、営業利益10百万円(同96.9%減)を見込んでいます。
アセットマネジメント事業では、求められる専門知識の種類がグループ会社とは異なるため、外部人材を活用しつつ、投資家の皆さまに満足いただけるサービスを提供できる人材の育成・強化を行っていきます。
Business : 04
その他事業
事業概要
MIRARTHホールディングスグループは、さまざまに変化していく人々の「住まい」にかかわる事業を広く手掛けています。レーベンホームビルドによる建設請負事業、レーベンコミュニティが担うリハビリデイサービス事業、レーベンホテルズが行うホテルの直営事業がその他事業に含まれます。
2023年3月期の振り返りと今後の戦略
2023年3月期は、建設の請負、ホテルの運営等により、当事業売上高は4,219百万円(前期比45.7%増)となりました。2024年3月期についても、建設事業の工事受注が順調に積み上がっているため、売上高が増加する計画です。また、ホテル運営は2024年3月期より黒字転換を計画しており、営業利益でもプラスに転じる見込みです。引き続き、MIRARTHホールディングスグループ全体の事業シナジーを図って他事業から派生する収益機会を適時に取り込み、周辺事業の拡充を目指していきます。