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山本 昌

不動産事業、エネルギー事業、アセットマネジメント事業の3本柱でさらなる成長を目指し、株主の皆さまへの安定的な還元を実現します

取締役 兼 グループCFO 兼 常務執行役員

山本 昌

2023年3月期の振り返りと中期経営計画の見直し

 MIRARTHホールディングスグループは、採算性や事業責任の明確化、経営資源の有効活用の観点から、2022年4月に事業セグメントを4つに再編しました。2022年10月にはホールディングス体制へ移行し、事業構造の革新による新たな成長を目指しています。2023年3月期の連結業績は、売上高 153,472百万円(前期比5.7%減)、営業利益 7,030百万円(同40.8%減)、経常利益 5,033百万円(同50.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 4,584百万円(同26.2%減)となりました。不動産事業は好調な販売進捗により売上総利益は計画を上回ったものの、タカラレーベン・インフラ投資法人へのTOBによる影響で、エネルギー事業、アセットマネジメント事業が減収減益となりました。
 なお、TOB実施によりエネルギー事業において計画上の発電施設売却の見送りおよびTOBの初期費用の発生により、収益構造に大きな変化が発生したため、2023年5月に中期経営計画の数値目標を変更しました。重要経営指標については、自己資本比率20%以上(2025年3月期末)、有利子負債比率(LTV)65%未満、D/Eレシオ3.0倍未満としています。ROEは13%以上で変更はありません。今期はTOB の影響で自己資本比率は18.0%、ROEは7.6%となりましたが、エネルギー事業を成長させ利益を上げることで目標を達成できると考えています。なお、ROEについてはTOB影響額を除くと10.1%となっています。
 2024年3月期の業績予想については、TOBの影響を受けるものの不動産事業が好調に進捗しているため、最終利益は当初の計画通りとしています。一方で、2025年3月期の業績予想につきましては、エネルギー事業が安定収益となるフェーズに移行することから、各利益項目において当初計画を上回る見込みです。

財務の状況

財務の状況表
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ロジックツリー

ロジックツリー図
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中期経営計画の目標達成に向けた戦略の推進

エネルギー事業への投資を促進

 MIRARTHホールディングスグループはもともと、不動産事業の営業利益が9割を占めていました。不動産市況による影響が高い状況から脱却するため、不動産事業をコア事業としつつ、第2の柱としてエネルギー事業への投資を進めます。
 地球温暖化防止への取り組みが求められる中、多くの上場企業がCO2削減目標を掲げ、カーボンニュートラルを目指しています。当社のこれまでのエネルギー事業については、発電所を開発して売却することで収益を上げてきたため、ボラティリティが高いことが課題でした。今後は、再エネ需要の高まりを追い風として安定的な収益を目指し、発電所を資産として保有することで、施設売却を中心としたフロービジネスから売電収入によるストックビジネスへの転換を進めます。2030年3月期には、営業利益の30%をエネルギー事業で構成し、EBITDAベースでは不動産事業:エネルギー事業=1:1とすることを目指しています。
 MIRARTHホールディングスグループでは、固定価格買取制度(FIT)に依存しない太陽光発電事業の、オフサイトコーポレートPPA(電力購入契約)を推進しています。すでに(株)三井住友銀行や大阪ガス(株)、SMFLみらいパートナーズ(株)、東京電力エナジーパートナー(株)などと業務提携契約を結んでおり、ほかにも多くの会社から業務提携の申し出がある状況です。再エネ需要はますます旺盛になっていますが、原発の再稼働などにより売電価格が下がることも想定してシミュレーションを行っています。

不動産事業の安定成長を目指す

 MIRARTHホールディングスグループでは、アセットの回転を良くして筋肉質のバランスシートにしていくことを最重要命題としています。特にコア事業である不動産事業は、安定的な成長を目指してさらなる拡大を図っており、全国で市街地再開発事業・優良建築物等整備事業を拡大していることに加え、タイ・バンコクにて現地法人を設立し、タイ国内にてコンドミニアム事業を積極推進しています。
 新築分譲マンション事業において、販売価格は上昇基調にありますが、建築コストも上昇しており、基本的に粗利益率20~22%で計画を立てています。流動化事業についても、コストの上昇を見据えつつ、投資開発事業本部ではIRR(内部収益率)とキャップレートを意識して仕入れを行っています。
 今後も当社がメインスポンサーを務めるJ-REITのほか、私募ファンドの資産運用規模を拡大していきます。

企業価値向上に向けた施策

サステナビリティファイナンスの活用

 MIRARTHホールディングスグループは、ESG の取り組みや情報開示、SDGs 達成への貢献等を評価し行われるサステナビリティファイナンスによる資金調達やグリーンローンを活用しています。当社は企業活動におけるポジティブインパクトの拡大とネガティブインパクトの緩和を目的とした「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」による資金調達を実施しました。また、当社グループのエネルギー事業部門を担うレーベンクリーンエナジーでは、事業活動を通じてサステナビリティ戦略の達成に貢献したいという意思を表明するため、格付投資情報センター(R&I)によるセカンドオピニオンを取得し、2022年12月に「サステナビリティ・リンク・ローン」の融資契約を締結するとともに、資金調達を実施しました。調達した資金は、再生可能エネルギー開発等に係る事業資金として活用していきます。

人的資本投資

 主要子会社のタカラレーベンにおいて、2019年に新人事制度を策定し、経営計画達成に必要な人材を安定的に生み出す人事制度を推進しています。給与を平均7%アップしたほか、勤務時間の短縮などを行い、人材の定着を図っています。MIRARTHホールディングスグループの3つの事業いずれにおいても、開発や仕入れに関するノウハウが当社の知的資本の蓄積につながるため、人材育成とその定着は継続的な課題です。一方で、新たな知見を持つキャリア人材も積極的に採用し、人材の多様化を進めています。
 現在、女性管理職比率は11.0%となっています。長く働き続けられる職場環境の整備に取り組むことでこれを20%まで高めていきたいと考えています。

山本 昌

株価パフォーマンス(TSR)

株価パフォーマンス(TSR)グラフ

2013年3月末を基準としたTSR

2013年3月末を基準としたTSR 表
※ TSR(Total Shareholder Return):株主総利回り。キャピタルゲインと配当を合わせた総合投資収益率
※ TSR の計算は、MIRARTHホールディングスは累積配当額と株価変動により、TOPIX は配当込の株価指数により算出(Bloomberg データ等により当社作成)
※ グラフの値は、2013年3月末日の終値データを100として TSRによる時価を指数化したもの(保有期間は2023年3月末まで)

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