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2023.12.1
エネルギー
#環境#再生可能エネルギー
富士山の麓で未知の挑戦。
熱意ある仲間とバイオマス発電を実現し、地域の課題解決に貢献。
Messenger 幸せ贈り人
S.R
- 会社・部署
- 株式会社レーベンクリーンエナジー
再生可能エネルギー推進本部 企画室
Projectプロジェクト
今回のプロジェクトの概要を教えてください。
太陽光発電事業に次ぐ再生可能エネルギーを活用した発電事業の推進と、地域社会への貢献を目的に、富士山の麓である静岡県富士宮市で、バイオマス発電所の運営に携わってきました。 具体的には、地元の乳牛農家から牛ふんを譲り受け、牛ふんから発生するメタンガスで発電をおこない、地域の電力会社を経由して配電しています。 また、発酵後の消化液は有効な肥料として活用できるため、牛ふんを譲っていただいた農家の方にお配りしています。 この一連のサイクルを確立することで、エネルギーの地産地消やサステナブルな地域社会づくりに貢献できました。 2023年現在の年間想定発電量は約800,000kwh、一般家庭160世帯分相当となっています。
運営体制はどのようになっていますか?
北海道のプラントメーカーである株式会社土谷特殊農機具製作所様、静岡県に本社のあるスズキ株式会社様、レーベンクリーンエナジーの3社で運営しています。 また、長期的な観点から地元の方たちに関わっていただくほうが持続可能な仕組みづくりができると考え、実際の運用については農協の方たちにご協力いただいています。
なぜ牛ふんを活用しようと思ったのですか?
当初から「地域循環共生圏」をつくろうという大きな目標を掲げていました。 具体的なアクションをバイオマス発電に決めたのは、この地域は豊かな自然に恵まれている一方で牛ふんの処理に多大な労力とコストがかかっており、また汚臭や水質汚染などの問題が懸念されているという事実を知ったからです。 さらに私の背中を押したのは、「牛ふんと格闘している背中を子どもたちに見せたくない」という、農家の方たちの声でした。 もしも牛ふんを活用して再生可能エネルギーを生み出すことができれば、地域の課題解決と私たちの目標の両方が達成できる。 そういう結論に達したことで、このプロジェクトの骨子が固まっていきました。
Pointポイント
プロジェクトを通じて、特にこだわったのはどんな点ですか?
実は現在使用しているプラントは、環境省による「環境調和型バイオマス資源活用モデル事業」として建設されたもので、1年の実証実験の後に取り壊す予定となっていました。 しかし、多くの時間やコストを投資して完成させた設備をわずかな期間で取り壊すのは非常にもったいないことだと感じ、なんとか再利用できないかと役所や地域の人々と粘り強く交渉を重ねていきました。
役所や地域の人々から賛同を得るために意識したことはありますか?
プロジェクトを推進するにあたって協議会が開催されたのですが、当初は我々の計画に対して拒絶反応もありました。 そこで、地域の方たちに受け入れてもらえるよう、1年半ほど通い続け、幾度となく意見を交わしました。 また、農家の方たちのところに足を運び、アンケートにご協力いただいたことも。 こうした地道な活動を続けていく中で、「バイオマス発電は必要だ」という熱意を持った方たちとつながることができたんです。 役所にも粘り強く働きかけるうちに、賛同を得ることができました。仲間として認めてもらえたことが本当に嬉しかったですし、お互いに知恵を出し合いながら良い方法を模索していく時間はとても楽しかったです。
取り組みの成果や、お客さまの反応を教えてください。
地域課題を解決しながら地域循環共生圏を生み出すことで、地域の皆さまと我々事業者、双方が幸せになれる形を実現できたのではと思っています。 また、当プロジェクトについて書かれた新聞記事を見て、興味を持ってくださった企業もありました。 実は、共同事業者として協力いただいているスズキ株式会社様もその中の一社だったんです。 そのほか、地元企業から「電気を買いたい」とオファーをいただいたときも、地域に貢献できていると実感できて嬉しかったですね。
今後取り組んでいきたいことや、挑戦したいことはありますか?
今の運営体制をうまく維持していくことが当面の目標です。 合同会社に参加している3社は、それぞれ異なる目的を持ってこの事業に携わっているので、全員の想いや価値観を丁寧にすり合わせながら、10年、20年と持続可能な事業に育てていきたいですね。 また、スズキ株式会社様には本事業の海外展開の可能性も見出していただいているので、期待に応えられるように励んでいきたいと思っています。 また、私個人の目標として、将来的には自分たちでつくった再生可能エネルギーで、自社の電力を賄っていけたらと考えています。 この目標を実現するために、これからも粘り強く挑戦を続けていきたいです。
あなたにとって
「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」とは?
地域資源を活用して再生可能エネルギーを生み出すことで、地域循環共生圏を構築し、地域の皆さまの安心で持続可能な暮らしをかなえることです。