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2023.12.1
アセットマネジメント
#街づくり#金融#観光
淡路島を盛り上げたい。
関わるすべての人が喜ぶ、情報発信拠点を創造。
Messenger 幸せ贈り人
K.T
- 会社・部署
- タカラアセットマネジメント株式会社
私募ファンド本部
ストラクチャード・ファイナンス部
Projectプロジェクト
今回のプロジェクトの概要を教えてください。
兵庫県・淡路島にオープンした複合型天然温泉リゾート「アクアイグニス淡路島」の開発・運用支援に関わってきました。私自身はアセットマネージャーとして、地域関係者や金融機関から事業資金を調達し、運用管理を担う立場です。リゾートの運営自体は別の企業が担っていますが、我々も運営会社と一緒に知恵を出し合うことで、施設価値向上に貢献しています。
アクアイグニス淡路島はどういった施設でしょうか?
大阪湾を一望できる温泉や、地産の食材を活かしたレストランなど、淡路島の魅力を存分に満喫できる施設となっています。また、車中泊が可能な場所やレンタサイクル、スパなども用意しています。
本プロジェクトの独自性や意義はどのような点にありますか?
本施設は「淡路島国営明石海峡公園」内にあり、国内で初めて※「国営公園Park-PFI事業」に認定されました。Park-PFIとは「公募設置管理制度」の呼称で、公募によって民間事業者を選定し、その資金やノウハウを活用するという、都市公園の新しい整備・管理手法のことです。この制度によって、国が所有する土地に商業施設の誘致が可能となり、アクアイグニス淡路島のオープンが実現しました。つまり、国と民間が力を合わせて淡路島の活性化を支援するプロジェクトと言えるのです。アセットマネジメントの事業としては決して大きな案件ではありませんでしたが、国内初の認定を受けられたことに大きな意義があると感じています。また、ホールディングスとして「日本全国の地域活性化」を目指している中、そのモデルケースとなったことで、さまざまな地域における事業活動の指針にもなるのではと期待しています。
※令和2年11月20日 国土交通省近畿地方整備局プレスリリース参照
Pointポイント
来場者数やお客さまの反応はいかがですか?
2022年7月にオープンしたのですが、当時はコロナ禍の影響が強く、思ったほど客足が伸びませんでした。また、リゾート内には温泉やレストランなどの施設が存在するのですが、それらの一体感を創出できておらず、相乗効果が生まれづらい状況でもありました。さらに運営をする中で、顧客ニーズと提供サービスが乖離しているという課題も露見。たとえばレストランは質にこだわった結果、高価格帯が中心になってしまい、特に地元の方たちにとっては敷居が高い場所になってしまっていました。これらの反省を踏まえ、現在はメディアの露出を増やす、サービスやテナントの見直しを図るなど改善に取り組み、徐々にお客さまの数も増えてきています。地元の方、関係各社の方など、周囲の喜ぶ顔を見ていると、純粋に嬉しいですね。
失敗や苦労したエピソードはありますか?また、それらをどのように乗り越えましたか?
世界的に評価されているベーカリーショップを誘致することができたのですが、実は近所に地元の方が開いているベーカリーショップがあり、結果的に競合する形をつくってしまいました。淡路島を盛り上げるために話題を創出することは重要ですが、それが地域の方たちにとってマイナスに働いてしまっては意味がありません。配慮が足りなかったという反省から、地域の方たちとの共存・共生という意識をより強く持つようになりました。
苦労したエピソードを挙げるなら、宿泊施設に関することです。お客さまからは「宿泊施設があると嬉しい」という要望はあったのですが、国営公園のため開発そのものがNGでした。ただ、オープン後も国と交渉を続け、トライアルを重ねた結果、車中泊は可能というところまでたどり着くことができました。「国営公園Park-PFI事業」という前例がないプロジェクトのため実現が困難なことはたくさんありますが、その分多くの可能性を秘めているのが、アクアイグニス淡路島だと思っています。
プロジェクトを通じて、大切にしてきた想いや姿勢を教えてください。
「淡路島という地域の活性化に貢献する」という想いは、何よりも大切にしてきましたね。私は以前から淡路島によく遊びに来ていて仲のいい人もいるので、この場所を盛り上げたいという気持ちは元々強く持っていました。そして今回、投資や融資をしてくださったのは本事業や淡路島に関わりがあり、「地元に貢献したい」「淡路島の魅力をたくさんの人に知ってもらいたい」と強く願っている方たちだったんです。こうした方たちの想いを聞き、大切な資金をお預かりしたことで、私自身の「淡路島を盛り上げたい」という想いがより強固なものになりましたし、プロジェクトを推進する活力にもなりました。
現在は、リゾート内で地元の人たちを雇用したり、地産の食材を使用したりという形で、地域の活性化に貢献しています。
アクアイグニス淡路島の今後の展望について教えてください。
淡路島の魅力の発信拠点というポジションを確立していければと思っています。「自分たちだけ良し」ではダメで、関わる人たち、淡路島全体のPRになるのが理想です。この場所を起点に、島内のいろんな観光地に立ち寄ってもらったり、淡路島の名産を楽しんでもらったりという流れをつくり出すことで、淡路島のことを好きになってくれる人をどんどん増やしていきたいですね。
今後チャレンジしていきたいことはなんですか?
今回の経験を糧にして、日本各地で地方創生に取り組んでいきたいと考えています。日本は一極集中が叫ばれていますが、地方にもたくさんの魅力やチャンスがあるはずです。今回のプロジェクトのように、地域に貢献したいと願う方たちから投資を募り、地域の魅力が存分に感じられる施設をつくり、雇用を創出し、地域や投資家に利益を還元する。このようなエコシステムをさまざまな地域で構築し、その地域や日本全体の活性化につなげていきたいですね。
あなたにとって
「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」とは?
地域に貢献したいと願う方々と、地域の魅力を引き出す施設をマッチングすることで、関わるすべての人が喜ぶ「地方創生」を実現することです。