Renewable Energy再生可能エネルギーの取り組み
エネルギー事業
MIRARTHホールディングスグループは、温室効果ガスであるCO₂排出量の削減に貢献する再生可能エネルギーを活用したエネルギー事業を推進しています。エネルギー事業に参入した2013年以降、全国で遊休地などにメガソーラーや中小規模の太陽光発電所の開発を行っています。そのほか、風力やバイオマスなどの太陽光発電以外の再生可能エネルギー事業にも取り組んでおり、2025年3月末時点で、稼働済発電規模(累計)は385MWとなりました。
太陽光発電
レーベンソーラー鹿児島大崎第1・第2太陽光発電所
LS(レーベンソーラー)鹿児島大崎第1・第2太陽光発電所は、4サイトにて約22MWを確保、年間発電量は推定約2,660万kWhと、一般家庭に換算して約7,800世帯分の年間使用電力量に相当する電力を生み出します。発電したすべての電力は、FIT制度を活用して一般送配電事業者に売電されます。
また、治水対策として防災調整池を7基設置し、スケールの大きな発電所でありながらも、周辺環境に配慮した設計です。
当発電所は、MIRARTHホールディングスグループがこれまでに開発してきた太陽光発電所のうち、「LS千葉勝浦発電所」(発電容量約30MW)に次ぐ、2番目の大きさの発電所となります。

所在地 | 鹿児島県曽於郡大崎町野方字並木段3970-1、他 |
面積 | 約370,000㎡ |
発電容量 | 22,366.8kW |
想定年間発電量 | 約2,660万kWh |
売電単価 | 18円/kWh |
UPDATERへの特定卸供給
MIRARTHエナジーソリューションズは、UPDATERと特定卸供給に関する契約を締結しました。
本契約を通じて、同社が保有する17道府県に所在する40カ所の発電所(発電出力:約21,140kW)を対象に、発電した再生可能エネルギー由来の電気をUPDATERと契約する企業などへ提供します。
MIRARTHアセットマネジメントが資産運用を受託する合同会社グリーンエネルギーは、LS千葉山武東・西発電所において、UPDATERと特定卸供給契約を締結しました。 LS千葉山武東・西発電所でつくった電気を、UPDATERを介して環境負荷の少ないエネルギーを選ぶ家庭や環境に配慮した経営を実践する企業へと供給します。
大阪ガスへの特定卸供給
MIRARTHエナジーソリューションズは、大阪ガスと特定卸供給に関する契約を締結しました。当グループと大阪ガスは、2022年3月に「太陽光発電事業の共同開発に関する覚書」を締結し継続的な協業に合意しています。
本契約の締結により、同社の保有する14道府県に所在する66カ所の発電所(発電出力:約24,162㎾)を対象に、大阪ガスと契約している RE100 に参加する企業を中心に、多くの需要先に対して環境価値が付与された電力供給を行います。
東邦ガスとの電力売買契約を締結
MIRARTHエナジーソリューションズは、中部エリアにおける再生可能エネルギーの普及と拡大を目指し、東邦ガスと電力売買契約を締結しました。
本契約により、同社は中部エリアで開発・運用を開始する太陽光発電所(合計設備容量約1.6MW)によって発電される再生可能エネルギー100%の電気と、その環境価値を東邦ガスが調達し、需要家に供給します。
北陸電力とオフサイトコーポレートPPAに向けた特定契約を締結
MIRARTHエナジーソリューションズは北陸電力とオフサイトコーポレートPPA※に向けた特定契約を締結しました。本契約は、オフサイトコーポレートPPA推進に向け、両社が2023年9月に締結した「基本協定」に基づき行われたものです。
本契約により、同社が四国に開発する予定の太陽光発電所(合計設備容量約1.3MW)で発電した再生可能エネルギーを北陸電力が調達し、需要家に供給します。対象発電設備によって発電された電気を需要家が購入することで、新たな再エネ電源の拡大に寄与することが期待されます。
- ※ 需要地ではない遠隔地にて発電された再エネ電力を、電力系統を通じて小売電気事業者を介し、需要地へ供給する契約方式。
山梨県と「オンサイトPPA方式による電力供給契約」を締結
MIRARTHエナジーソリューションズは、山梨県とオンサイトPPA※に向けた電力供給契約を締結しました。本契約は、同社が山梨県内の公共施設5カ所に開発する太陽光発電所(合計設備容量約337kW)で発電した再生可能エネルギーを山梨県に供給するものです。対象発電設備により発電された電気を山梨県が購入することで、新たな再エネ電源の拡大に寄与する追加性が期待されます。
- ※ 需要地の敷地内にて発電された再エネ電力を供給する契約方式。
札幌市と「オンサイトPPA方式による電力供給契約」を締結
MIRARTHエナジーソリューションズは、北海道札幌市とオンサイトPPAに向けた電力供給契約を締結しました。本契約は、札幌市環境局が運営管理する円山動物園内のカバ・ライオン館に設置された太陽光発電所(システム容量49.5kW、合計出力70.55kW)で発電した再生可能エネルギー電力を当該施設に供給します。札幌市が、これら発電設備によって発生した電力を購入することで、新たな再生可能エネルギー電源の拡大に寄与することが期待されます。
東京電力エナジーパートナーとの基本協定を締結
MIRARTHエナジーソリューションズは、オフサイトコーポレートPPA推進のため、東京電力エナジーパートナーとの太陽光発電事業に関する協定を締結しました。
本協定では、東京電力エナジーパートナーの顧客ニーズに応えるため、同社所有の発電所で発電した再生可能エネルギーを、小売電気事業者である東京電力エナジーパートナーを通じて需要家に計画的に供給します。RE100に参加する企業を中心に、多くの需要先に非化石価値を提供していきます。
風力発電
ミラースウィンドパワー北海道乙部発電所
ミラースウィンドパワー北海道乙部発電所は、高さ約120m、出力2,300kWの風力発電2機で構成されており、高さ78mのタワー(塔)に長さ約41mの大きなブレード(風車の羽)が取り付けられ、発電効率と安定性が高い設計となっています。想定年間発電量は約1,005.8万kWhで、これは一般家庭約2,400世帯分の年間使用電力量に相当し、約5,300t分CO₂排出量削減に貢献します。
当発電所は、乙部町内初の陸上風力発電所であり、またMIRARTHホールディングスグループ2件目の風力発電所となります。

所在地 | 北海道爾志郡乙部町字元和547-6他10筆(地番) |
発電容量 | 4,600kW |
想定年間発電量 | 約1,005.8万kWh |
売電単価 | 22円/kWh |
バイオマス発電
富士山朝霧バイオマス発電所
富士山朝霧バイオマス発電所は、MIRARTHホールディングスが共同出資を行う合同会社富士山朝霧Biomassが運営を担っています。発電した電力は地域電力会社を経由して静岡県東部地区に配電されます。
この発電所では、富士開拓農業協同組合の会員から収集した牛ふんを利用したバイオマス発電を行っており、牛ふんを発酵処理して生成したバイオガスを燃焼させて発電することで、木くずや可燃ごみを直接燃焼させて発電する方式に比べてCO₂の排出量を抑制することが可能です。さらに、バイオガスとともに生成した液体肥料は、「富士山朝霧バイオマス液体肥料」として多方面へ販売し、化成肥料使用の抑制にもつなげています。
また、発電施設は、環境省による「環境調和型バイオマス資源活用モデル事業」で使用されていた施設を再利用しています。解体予定であった施設を再利用することで、解体により発生するCO₂排出を抑制することにも貢献しています。

カンボジア産カシューナッツ殻を活用したバイオマス燃料化事業参入に向けて
MIRARTHエナジーソリューションズは2024年2月、カンボジア産カシューナッツ殻を活用したバイオマス燃料化事業参入に向け、MIRARTH Agri Tech Co., Ltd.(カンボジア現地法人)を設立しました。
現地工場を新たに建設し、現地の雇用拡大と日本の製造オペレーション技術導入による労働生産性向上と、一人当たりGDPが日本の約1/20であるカンボジアの経済発展への貢献を目指すとともに、これまで国内に限られていた事業拠点を海外に拡大し、事業ポートフォリオの多様化を推進します。
Nuts2 B.V.社とカシューナッツの出荷契約締結
MIRARTH Agri Tech Co., Ltd.は、オランダに本拠を置くNuts2 B.V.と出荷に関する契約を締結し、2024年11月にはカンボジアからヨーロッパへ初の継続的出荷を実現しました。出荷したカシューナッツはヨーロッパの厳格な品質基準をクリアしたもので、20フィートコンテナ1本あたり約16トンを輸出しました。
当社工場で生産されたカシューナッツは、2024年6月にカンボジア農林水産省農業産業局主催の「Cashew Nuts Outstanding Processors Competition in 2024」において、衛生管理の徹底と製造ライセンスの取得が高く評価され、「名誉賞」を受賞しました。また、工場の本格稼働開始(2024年7月)以降は、カンボジア国内を中心に約25トンの一時卸販売を実施し、取引先からも品質管理に対する高い評価をいただいています。これまでの品質への取り組みが国内外で認められ、今回のヨーロッパ出荷へと結実しました。
2024年度は、2025年3月までに約250トンの出荷を実施しました。2025年度は乾燥機やカラーシューターの導入などによる生産能力のさらなる拡大を見据えています。また、搾油後の殻残渣を活用したバイオマス燃料化事業については、一般財団法人JCCP 国際石油・ガス・持続可能エネルギー協力機関からの助成を受け、カシューナッツ殻油の搾油技術の向上と、残渣のバイオマス燃料利用効率の検証を進めています。さらに、バイオマス燃料の対象として、殻残渣に加え、早成樹であるカシューナッツの成木や間伐材の活用も検討中です。
パワーエックスとの系統蓄電所展開における事業提携
MIRARTHアセットマネジメントは、パワーエックスと系統蓄電所ビジネスに関する事業提携の覚書を締結し、両社の第1号案件として、神奈川県愛甲郡愛川町に「ミラースストレージバッテリー神奈川愛川蓄電所」(以下、本蓄電所)を運用開始に向けた取り組みを進めています。
本蓄電所は定格容量7,403kWhを有し、パワーエックスの法人向け再エネ電力サービス「X-PPA」などの電力小売事業において、調整力として活用されることで需給の最適化と安定した電力供給に寄与することを目的としています。
本蓄電所は、MIRARTHホールディングスグループ初の系統蓄電所であり、パワーエックスにとっても自社製品を採用した初の事例となります。