Corporate Governanceコーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

MIRARTHホールディングスグループは、「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」を「Our Purpose(存在意義)」とし、サステナビリティを巡る課題への対応は重要な経営課題であるとの認識のもと、単に利益を追求するだけでなく、法令および企業倫理を遵守し、企業社会の一員として社会的責任を果たし、企業価値の持続的な向上を目指します。

そのために当社グループでは、お客さま・従業員・取引先・地域社会・株主といったすべてのステークホルダーの皆さまの幸せを常に考え、経営環境の変化に柔軟に対応すべく、迅速な意思決定を行うとともに、コンプライアンスを徹底することで健全な企業活動を推進し、意思決定の透明性を確保することをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としています。

コーポレート・ガバナンス強化の取り組み

取り組み内容
2010年 執行役員制度の導入
2012年 取締役(社外取締役を除く)・執行役員に株式報酬型ストックオプション制度を導入
2016年 取締役会の実効性評価の開始
2017年 取締役の任期を2年から1年に変更
2019年 指名委員会、報酬委員会を設置
2020年 指名委員会、報酬委員会の委員長に社外取締役が就任
2021年 女性社外取締役2名の選任
社外取締役比率が3分の1に上昇(取締役12人のうち社外4人)
役員報酬体系を改定(評価項目に非財務指標を導入)
2022年 スキル・マトリックスを開示
持株会社体制に移行
社外取締役比率が3分の2に上昇(取締役6人のうち社外4人)

コーポレート・ガバナンス体制

MIRARTHホールディングスは、取締役会による慎重かつ迅速な意思決定を行うとともに、取締役相互による業務執行状況の適切な監督、監査役による取締役の業務執行状況の監査・監督を行うなど、経営の適正性が確保される体制を構築しています。また、執行役員制度により、取締役の経営監督責任と執行役員の業務執行責任を明確にする体制を採用しています。

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス体制の推移

取締役は7名で、そのうち4名は多様なバックグラウンドを持つ独立社外取締役です。取締役の任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなります。2023年度は取締役会を16回開催しました。

監査役は3名で、3名全員が独立社外監査役であり、外部からの経営監視機能が十分に果たせる体制を整えています。監査役会は、監査役相互の課題や情報の共有を図るとともに、必要に応じて取締役や各部門に情報の提供を求め、監査レベルの向上を図っています。2023年度は、監査役会を12回開催しました。

年度 組織形態 取締役人数 うち、
社外取締役
人数
監査役人数 うち、
社外監査役
人数
2016年度 監査役会設置会社 10名 2名 3名 3名
2017年度 監査役会設置会社 10名 3名 3名 3名
2018年度 監査役会設置会社 11名 3名 3名 3名
2019年度 監査役会設置会社 13名 3名 3名 3名
2020年度 監査役会設置会社 13名 4名 3名 3名
2021年度 監査役会設置会社 12名 4名 3名 3名
2022年度 監査役会設置会社 12名 4名 3名 3名
2023年度 監査役会設置会社 6名 4名 3名 3名
2024年度 監査役会設置会社 7名 4名 3名 3名
  • ※2022年10月1日付で持株会社体制に移行
取締役会における社外取締役比率
取締役会における社外取締役比率

取締役会

MIRARTHホールディングスの取締役は7名(うち4名が社外取締役)で、社外取締役全員を独立役員に指定しています。原則月1回開催の取締役会と、必要に応じて開催する臨時取締役会において、慎重かつ迅速な意思決定を行うとともに、業務執行状況を取締役相互に監督しています。

取締役会には監査役が常時出席し、必要に応じて意見を述べるとともに、社外取締役と綿密に連携し、取締役会の運営状況や業務執行状況を随時監査・監督しています。また取締役会には、内規に基づいて取締役会の要請を受けた執行役員やグループ内部監査室長、その他の部室長なども出席し、各議案や報告事項に関する意見を適宜述べています。

また、当社は、月1回の頻度でグループ経営会議を開催し、グループ経営方針、経営戦略およびグループマネジメントに関する重要な計画案・実施案の事前審議・協議を行うことで、的確な意思決定プロセスの充実を図っています。

執行役員制度

MIRARTHホールディングスは、執行役員制度を導入し、取締役の経営監督責任と執行役員の業務執行責任を明確にし、さらなる意思決定の迅速化と業務執行の強化を図っています。

監査役会

MIRARTHホールディングスでは、意思決定の牽制制度として、監査役3名全員を社外監査役としており、いずれの監査役も客観的な判断やチェックを行うのに十分な職歴と実績と気概を有しています。当社の監査はもとより、関係会社各社に対する監査についても、各社取締役会への出席ならびに取締役へのヒアリングなどが実践されており、緊張関係が維持されています。加えて、会計監査人とは、互いに年間のスケジュール把握・調整を行い、現場視察やモデルルーム調査などへ同行し、随時情報交換を図ることで、一層の監査の実効性と効率性の向上に努めています。

グループ内部監査室

MIRARTHホールディングスは、内部監査の充実および強化を図るため、内部監査規程を制定し、社長直属の独立機関としてグループ内部監査室を設置しています。内部監査の計画の立案および実施に当たっては、監査役監査、会計監査人監査とのスケジュールや監査内容などの調整を充分に行い、各機能の効率的運用が図られています。監査役はグループ内部監査室が実施する業務監査に同行し立ち会ったうえで、監査内容を確認するとともに適宜意見聴取を行うなど、実効性と効率性のある監査体制の構築に努めています。

取締役スキル・マトリックス

MIRARTHホールディングスは、多様な知見と経験から客観的な判断を行うため、取締役会が備えるべき知識・経験・能力等の組み合わせを下表のとおり特定しています。

取締役スキル・マトリックス(2024年6月26日時点)
氏名 役職 企業
経営
財務/
会計
法務/
リスク
マネジメント
営業/
マーケティング
人事・
労務
IT グローバル
事業
指名
委員
報酬
委員
島田 和一 代表取締役
兼 CEO
兼 社長執行役員
中村 大助 取締役
兼 CFO
兼 常務執行役員
秋澤 昭一 取締役(不動産セグメント管掌)
山平 恵子 社外取締役
山岸 直人 社外取締役
内田 要 社外取締役
金丸 祐子 社外取締役
  • ※ 各取締役が特に「強み」としている項目においては「◎」としています。

社外取締役の選任理由と取締役会への出席回数

各社外取締役の選任理由、2023年度の取締役会への出席回数を開示しています。

社外取締役の選任理由と取締役会への出席回数
氏名 役職 選任の理由 2023年度
取締役会への
出席状況
山平 恵子 社外取締役 不動産業界における経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有していることから、選任しています。 16回/16回
山岸 直人 社外取締役 長きにわたり警察庁において培ってきた専門知識と豊富な経験、また、建設省(現国土交通省)における職務実績と経験を有していることから、選任しています。 16回/16回
内田 要 社外取締役 不動産業界における豊富な経験と幅広い見識、また、建設省(現国土交通省)における職務実績と経験を有していることから、選任しています。
金丸 祐子 社外取締役 日本及び米国NY州での資格を有し、国内・海外で弁護士として培ってきた専門知識と豊富な経験・実績を有していることから、選任しています。

指名委員会・報酬委員会

MIRARTHホールディングスでは、取締役等の人事や報酬等に関する決定プロセスの客観性および透明性を高め、コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実・強化を図るため、任意の諮問機関として指名委員会および報酬委員会を設置しています。

両委員会は、取締役会決議により選定された3名以上の取締役で構成し、うち半数以上は独立社外取締役とすることで、独立社外取締役の関与・助言の機会を適切に確保しています。両委員会は、取締役の諮問に基づき、主に下記に記載した事項を審議し、答申します。

指名委員会

  1. ①取締役会の構成およびバランスに関する事項
  2. ②取締役の選解任に関する事項
  3. ③代表取締役および役付執行役員の選定および解職に関する事項
  4. ④社外取締役の独立性判断基準に関する事項
  5. ⑤後継者計画に関する事項

報酬委員会

  1. ①取締役および執行役員の報酬に関する事項
  2. ②取締役等の報酬に関する基本方針・基準に関する事項
  3. ③その他、取締役会が報酬委員会に諮問した事項

役員報酬

取締役の報酬は、当社の持続的な成長に向け、業績拡大や企業価値向上に対する各役員の貢献度に基づく金額を決定しています。その限度額は年額600百万円(ただし、使用人分給与は含まない)とし、これとは別枠のストックオプション報酬の限度額は年額600百万円とすることが、株主総会で決議されています。また監査役の報酬は、株主総会で年額60百万円以内と決議されています。

取締役会の実効性評価

取締役会の機能向上を図るため、取締役会の実効性について評価・分析を実施しています。外部のコンサルティング機関の協力のもと、社外取締役を含むすべての取締役および監査役を対象に匿名のアンケートを実施。そのアンケートの回答を踏まえ、取締役会の実効性に関する分析および評価を行っています。
また、2023年度の実効性評価から、全ての取締役および監査役に対し、外部のコンサルティング機関によるアンケート結果を踏まえたインタビューを実施し、第三者評価として報告書を受領するなど、評価方法を改良しました。

今回のアンケートおよびインタビュー結果からは、取締役会の構成・運営・議論に関して、概ね肯定的な評価を得ており、当社取締役会は相当程度実効的に機能していることを確認したものの、取締役会資料に記載すべき情報の整理や中長期的な戦略に関する議論の充実等については、改善に向けて取り組むべき課題として挙げられました。

今後も、課題について十分な検討を行い、取締役会の機能を高める取り組みを継続的に進めていきます。

社外取締役メッセージ

MIRARTHホールディングスに対する評価

2017年に社外取締役に就任して以来、ガバナンス強化の取り組みを目の当たりにしてきました。特に2022年10月の持株会社体制への移行は、グループ経営の効率化と事業発展を促進する画期的な改革でした。これにより、事業ポートフォリオごとの経営責任が明確化され、グループ全体の効率化が進むと同時に、各事業の発展が促進されました。取締役会では自由闊達な議論が行われ、社外取締役が社会課題解決や企業統治に関する意見を積極的に発言し、組織に良い刺激を与えています。

組織再編は、トップマネジメントの重大な意思決定であり、グループ収益の拡大に伴う重要な一歩でした。「未来環境デザイン企業」を目指す中で、存在意義(Our Purpose)と価値観(Our Values)を再設定し、各部門に浸透させる取り組みを進めています。グランドデザインを企業組織内へ提示することは、トップマネジメントの最重要事項であり、その意味でも、島田社長の経営感性は非常に頼もしいものです。

一方で、ガバナンス強化には人材の育成が欠かせません。不動産に軸足を置いているMIRARTHホールディングスグループにおいて、第2、第3の柱となるエネルギー事業やアセットマネジメント事業に対応できる人材の確保が課題となっています。エネルギー業界全体で人材が不足しており、トータルでエネルギー政策を理解できる人材が求められています。これには、取締役を筆頭に全従業員の気づきが必要であり、人材育成への取り組みをさらにブラッシュアップする必要があります。

新たに定義された存在意義と価値観、ビジョンを軸に、グループ各社のガバナンスとグループガバナンスの強化、進化が期待されます。各事業会社が自らの役割を再認識し、新たなスタートを切るための基盤が整えられた今、これからが正念場です。グループ全体の成長ストーリーを描き、それに向けた具体的な戦略を取締役会で議論し、実行していくことが求められます。

私は、これらの取り組みがMIRARTHホールディングスグループの持続可能な成長と社会的価値の創出に大きく寄与すると確信しています。すべてのステークホルダーの期待と満足度を高める経営に寄与したいと思います。

社外取締役川田 憲治

統合報告書2023より抜粋

報告書

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